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大好きな君に、私が出来ることは何だろう。

優しくすること、助けること、思いやること。
それは私にとっては、大切な人に対して接するにあたって、人として当たり前のことで。

そうして考えた時、いちばんに思い浮かんだのは。


風呂掃除だった。


実家に帰り、とても久しぶりに実家のお風呂に入る。

…汚い。とても汚い。
リアルパワーウォッシュシミュレーターしたいくらい汚い。

(一部の人にしか伝わらない為説明すると、
高圧洗浄機を使ってめちゃくちゃ汚い車や公園などの施設をまっさらに綺麗な状態にするのを楽しむゲームがあるのだ…。)


◯ちゃんがここにいた頃には、
ある程度気をつけてあげなければ、
と思ってちょこちょこ掃除をしていたけれど。


と語っていた母の言葉を思い出す。
本当に気をつけてくれていたんだなと思う。
と同時に、本当にいつまで経っても子ども扱いされていたんだなぁ…いや、今もそうだが。と、嬉しいような、遠くを見つめるような気持ちにもなりながら。

母はもう高齢で、今は身体の調子も悪くしているし。
姉は仕事で忙しいし、部屋だって必要最低限の足の踏み場しか無いくらい、片付けを出来る時間が無い。
…いや、時間があっても普段からあまりしない方ではあるかも知れないが…。
そこは姉の名誉の為にも黙っていよう。


何はともあれそういうわけで、私が実家に帰ってからしたことといえば。

金曜日、母の入院が月曜日からに決まり、血が3分の2程度に薄まっているという大変な状況ながらも、まだしっかりと調べるまではわからないので油断はならないが、恐らく最悪の事態は免れた、と思われた為少し安心して。
元々自分が使っていた部屋のスピーカーを、近い未来新居へ移った時に運び出せるよう、部屋と部屋のふすまを隔てた大型の家具の間で取り外す事が出来ず繋ぎっぱなしになっていたコード類をまとめ。
その為に動かした家具や床に降り積もっていた埃を払い、入り切らなくなっていた本を整頓して本棚や元々スピーカーが置いてあった場所に入れ直し。
新居へ持って行きたいと思うその他の小物類もまとめて、今から住む訳でもない自分の部屋の掃除に2時間を費やしたのが2日目。

(もうここに住んだら?なんて母に言われた。
旦那さんが来られるなら全然ここに住んでも構わないんだが、如何せん出社しなければならないこともありそれは叶わない。
ちなみに兄も母の有事に駆けつけていたが、無理を
言って仕事を抜けて来ていたのでこの日に帰った。)

ちなみに1日目は実家に着いたのが夕方だった為、巻き寿司やケーキを買って来て話しながら食べて、風呂に入ってあまりの汚さに気付き、母が退院するまでに、私が東京へ帰るまでに。
風呂を完璧に近いくらい綺麗にしようと誓った、
くらいのことしかしていない。

3日目、朝早くに目が覚めた為、書く習慣で一日一文をしたためて、午前のみ仕事のある姉を見送り。
2日目の朝にも作ったスクランブルエッグを、2日目とは別の味付けで作り、姉が買い置きしてくれていたハンバーグ弁当を母とともに食べ、4回洗濯機を回し、一緒に大量の洗濯物を干して。

実家のあるこの愛媛には良い手芸店はあるのだろうかと気になりGoogle map先生に聞いてみたところ、ネパールのフェルトボールなどが売っている店があるとお教えいただき。
行ってみたくなったが、
今は家族と、特に母と時間を過ごした方が良いだろうと、次の機会にすることにして。

洗濯機を回していた間にも観ていた、母の大好きな推しが出てくる韓国ドラマをともに鑑賞しつつ、私の推しであるグノーシアのセツの話をしたり、たまにまどろんだりしながら、居間の炬燵に入って過ごし、
夕方の16時過ぎか、17時前か。

やらなくていいよ、姉ちゃんがやるから。
と何度か言われたものの、一度決めたことだ。
やるなら今しかない。
昨日は曇り空だった為、干しっぱなしでは乾かないだろうと、暖房の効いた部屋で乾かすべく、姉は洗濯物を取り込みに行き。

某イカのゲームのビッグなランを、寂しがり屋の旦那さんと30分ほど遊ぶ予定だった為、早めにお風呂を済ませておきたかったのもあり。
そのタイミングで私も動き出した。

…まあ、私が風呂掃除をするだけの描写を全力でしてもそんなに面白くは無いと思うので、そんなこんなで私は、ほどほどでいいよ、と言われつつも、今にみとれ、と返しつつ、新しいスポンジひとつとAg+配合の青い洗剤をたくさん使い、風呂場の壁から床からドアから浴槽からシャワーヘッドから、洗面器や椅子、風呂の蓋、ついでに洗面台まで、何から何まで1、2時間ほどかけて綺麗にした。
ドアの横側の縁と窓と天井は、天井はともあれ他の2つはやりたいと思っていたのに疲れからか忘れてしまい手が及ばず、姉に託した。
…まあ、無理なら無理に姉がやらずとも、また私が帰って来た時に綺麗にするから良いが…。

思い出したが昼も、朝からなんだかあまり食欲がなかったので、実家の実家、つまりはおばあちゃんの家に住む、母の姉から貰ったイチゴを牛乳に浸して食べた時に使った砂糖の入ったケースも、昔からだがそれ以上にものすごい油が着いていたのでアルコールウェットで拭いて綺麗にした。

風呂掃除後は、着ていた服もびしょ濡れだったし、掃除後なので身体を清めたかった為、すぐにシャワーを浴びて頭と身体とすべてを洗い、風呂を沸かす設定をした。

身体を拭いて出て、
「姉ちゃん見て、綺麗になったやろ…?
 母さんも見て。」
と見せると、

「わぁ〜、すごいねぇ◯ちゃん、見るからに
 白くなっとる。綺麗になったねぇ〜!
 ありがとう、◯ちゃん。」

「本当や、すごい綺麗になっとる。こんな風呂が
 綺麗になったのを見たのは久しぶりじゃ。」

そんな風に、わりと想像通りに感動してもらえたのでなかなかに満足した。

「入った時にも見回して、
 うわぁ〜綺麗になったなぁ、すごいなぁ
 と思って、清々しい気持ちで入って。」

と伝えた。

母と2人だと、母がそんなにピザを食べないだろうし頼めない、と姉が言っていたので、その日の夜はピザを頼むと良い、という話をしていた。風呂掃除をしている間にもどれが食べたいか聞かれた。

「どれでもいいよ、
 好きなピザの感じは変わってない。」

「マルゲリータとかやったよね?」

「そうやねぇ、それとかポテトのやつとか…。
 あ、あと、パイナップルが乗ってるやつも
 食べてみたい。」

19時過ぎ。ピザが冷めるので髪を乾かさず頭にタオルを巻きパジャマを着て、姉が頼んでくれたピザが届いた、言ったもの全てが揃っている食卓につき。

とても達成感のある良い疲れだったが、
疲れた…。とこぼすと、姉は笑いながら、

「やっぱり頑張りすぎたんよ〜、
 ◯ちゃんはこだわるときはこだわるけど、
 今回のこだわりようは今まで以上だったねぇ、」

と言った。

そう、私は昔から、こだわるところはこだわって、自分の中での完璧に近いレベルでこなそうとする。自分がそこまで気にならない部分については手放しだが、やるとなった時には気が済むまでやる。
ただ、やりたくないことはやりたくないので、やりたいと思ったことしか出来ないし、気分にもよるが。

「いや、頑張りすぎたりはしてない。
 こだわったと言うよりかは、
 汚さ相応の頑張りをしたというだけだよ…。」

そんな風に返し。

とりあえず、
自分の部屋と風呂が綺麗になって本当に良かった。
母は胃カメラで検査をする予定なので、その結果だけ心配ではあるが…大ごとではないと良いんだが。
急に10キロくらいか?減ったらしく、今46キロらしい。確かに最近食が細くなってはいたが、何かしら栄養を吸収するにあたって異常があるとは思われるので…。
医者が言うところの、
胃炎などの比較的楽に治すことが出来る、
軽めの病気であればいい。
それを祈っている。

さて、何はともあれ、私は帰って来た。東京に。
本当なら月曜日、母が入院する際についていけたらと思っていたのだが、私自身も一度延期した健康診断が月曜日に入っている。
これを逃すとどうにも今年は受けられないらしく。
姉が午前中に休むことができるようで付き添えるとのことだったのもあり、とりあえず今のところはどうにか大丈夫そうなので、今日帰ることにした。


私の大好きな母が、また元気になれたら。
みんなで花を見にでも行けたらと思っている。





(ここ数日の一日一文はとても長いのに、
読んでくださった方は、ありがとうございました。
とりあえず一旦は落ち着いたので、
次からは元の通りに書いていけると思います。
もしこれからもお付き合いいただけるようでありましたら、この先もどうぞよろしくお願いいたします!)

3/5/2023, 4:40:05 AM