腹有詩書氣自華

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「ラララ」って、不思議な響き

何気なく口をついて出ることもあれば、胸の奥にしまった気持ちを紛らわせるように、そっとつぶやくこともある


夕暮れ時、公園のベンチに座っていると、小さな鼻歌が風に乗って届いた。振り向くと、一人の少女がブランコに揺られながら、小さく「ラララ」と歌っている。

歌詞はない。ただ、メロディーの隙間に、どこか寂しげな想いが滲んでいるようだった。

声をかけることはできなかった。けれど、その「ラララ」は、まるで誰かを呼ぶようで、あるいは、自分自身に言い聞かせるようで……そんな気がした。

「ラララ」は、ひとりぼっちの祈りなのかもしれない。
言葉にできない想いをそっと紡ぎ、誰かに届くことを願う。紡がれる音色で賑やかなアミューズメントパーク宛らの光景を映し出す。

あの少女の「ラララ」は、風に溶けて消えてしまったけれど、もしかしたら今も、どこかで響いているのかも
しれない。

少なくとも私の心には響いているよ


──────題.ラララ──────

3/7/2025, 12:28:13 PM