題名『令和のウルトラマン』
(裏テーマ・モンシロチョウ)
私の名前は、雨流虎満…うりゅう、とらみつ。27才。
保険のセールスマンとして、地方の田舎を歩き回る生活を続けている。ある秘密を隠して。
私の祖先は百年以上昔に地球にやって来た地球外生命体、つまり宇宙人だ。
自分たちの星の終わりに危機を抱いた祖先がUFOに乗って地球に逃げて来たのだが、あまりに地球は美しく、争って人間から奪うことをせずに、この地球を守って生きてゆくことに決めたのだ。
私たちの生命体は擬態が得意で大きさも人間と変わらなかったのですぐに人間の世界に溶け込めたらしい。当時は戦争もよくあり混乱していたので誰も疑う人はいなかったようだ。
人間は知らないが、激しい戦争の時は我々の祖先があちこち世界の被害を救ったみたいだ。そのために死んだ仲間も大勢いると聞かされている。
私たちの生命体はそんなに人間と変わらないが、たまに特殊能力を持つ子供が生まれる。祖先はその子を『この世を継ぎし者』と呼んだ。昔は星を守るために戦かっていたらしいが、二百年も誕生が途切れていたらしい。
話が長くなったが、二百年ぶりに生まれた特殊能力を持った生命体が私だ。
私が生まれて祖父は余りに嬉しすぎて、日本のアニメのヒーローを連想したそうだ。もうこの名前しかないと。
それは『ウルトラマン』
祖父が子供の頃に自分の境遇が似ていて好きになったらしい。
苗字の雨流も祖父がウルトラマンのウルから連想して改名していたらしい、秘密裏に。
雨流虎満、うりゅうとらみつ。
祖父の趣味で、別名はウルトラマンなのだ。
私が特殊能力を全開で使うと体力は3分しかもたない。
強いジャンプを利用して短い距離なら飛ぶこともできる。
電磁波や磁場のエネルギーを集めて光線銃のようなビーム?も撃つことができる。
高速移動や何かに擬態するのは簡単だが声は真似できない。
今はスマホがあるが、昔から私たちはモンシロチョウなどのチョウに似せて音声の手紙を送り合った。だから今でも私の仲間は私に助けを求める時はモンシロチョウを使う。
そう私は、私たちの生命体と地球を守るために生きることが使命だと言われて育てられた。
そして、私たち生命体の成人の歳、25才から私はウルトラマンとして活動を始めだ。
保険のセールスマンという仮面をかぶって。
今日も田舎の田んぼ道をネクタイをしてカバンに保険の資料を詰め込んで歩いていた。そしてお爺さんやお婆さんを見つけるとその仕事を手伝いながら保険を勧めていた。
するとそこに、一匹のモンシロチョウが飛んできた。人間には聞こえない高周波の音で私に助けを求める内容の声だった。
「ごめーん、急用を思い出しちゃった」
私は両手で拝むように何度も謝り、駆け出していた。
ひと山越えた向こうの山の麓で、川釣りをしていた高齢の男性が落ちて溺れているらしい。一時の猶予もない。
「シュワッチ」
空を飛んだ。
このあと、東京勤務になり転勤するといろんな事件に巻き込まれて、奇想天外やすっきり爽快なエピソードを起こすのですが、楽しみにして待ってもらえると嬉しいです。
5/10/2024, 2:51:28 PM