川柳えむ

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 三人の兄弟は、この辺に現れるという害獣の狼に備えて、新しく家を建てることにした。
 一人暮らしをしていたので、各々自分の家を建てた。
 兄二人が建てたのは簡素な作りの家で、すぐに完成していた。
 しかし、兄二人の家は、現れた狼の奇襲に耐えられず倒壊。
 慌てて逃げ込んだ先の、末の弟の時間をかけて建てた頑丈な家だけが、無事に狼の奇襲を耐え抜くことができた。

「それがこのレンガの家です」

「弟の作った家は本当に丈夫で、たとえどんな害獣が来ようとも、地震が来ようとも、嵐が来ようとも、ばっちり安全です!」
「いかがでしょうか? ご購入していただけますか。ありがとうございます! それではこちらでご契約を――」

 慎重な性格の末の弟が家を造り、口の上手い兄二人は営業をして家を売る。こうして生計を立て、三人仲良く暮らしましたとさ。
 めでたしめでたし。


『嵐が来ようとも』

7/29/2023, 7:31:51 PM