花明りの空の下私はベランダで虚空を眺めていた
ぽつんと置かれたビール缶を口に流し込みながら
君と別れた交差点を思い出す 。
それは春宵のとき
僕は君の軽快なジョークに聞き惚れながら別れを惜しんでいた。淡い髪がゆらゆらと揺れて綺麗だった
そんな時後ろからクラクラするような猛烈な光が君を照らして耳を割く様な音が響き
君を飛ばしていった
君を轢いていった
白いトラックには赤い液体がついている
春は別れの時期と言うがあまりにも無惨だ
私と頬には自然と雫が着いていた
小雨が降り注いでいる
涙を出し切ってしまった私の代わりに
空が泣いてくれている
桜の花びらが目の前をゆらゆらと落ちていった時
ベランダを締めきり部屋に明かりをつけて前を向いた
4/21/2024, 2:19:31 PM