木弓るん

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カレンダー

やっとのことで見つけた民家は
雑草が生い茂っており見るからに廃墟であったが

生活感があるな…

玄関には揃えられた女物の靴
脱ぎ捨てられた子供の靴
どちらも、経年劣化でぼろぼろになっている

床の状態から靴を脱がずそのまま上がる
テーブルの上にはマグカップ
錆びた缶に入った色鉛筆
変色したスケッチブックには
お花の絵が辛うじて残っている

一体何時から
この家の時は止まってしまったのだろうか
壁にかけられたカレンダーは9月
何年のものかは…いや
一番後ろのページに、次年のカレンダーがついている

「にせん…ろくじゅうさん…」

思わず、声が震える
知らず背中に汗がにじむ

これは、自分の知らない未来のカレンダーだ
自分は本当に未来に飛ばされてしまったのだろうか
人ひとり見当たらないこの時代
一体、何が起きているのだろうか…

9/11/2023, 10:41:40 AM