勿忘草.

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高校1年生の時。
隣の席の人に恋をしました。

初めは気にならなかったんです。
自分とは性格が全然似てない。
あちらはいわゆる陽気な部類で。

一生この人とは合わないのだろうと、

心の底からそう思ってました。

でも、それを撃ち破るのが距離感というもの。
隣の席だから何か話さないと気まずくて。
多分ですけど
相手もそうだったんじゃないでしょうか。

おはよう

君はいつもそう言って、笑う。

おはよ

私はいつも素っ気なく、返す。

過ごしていくうちに、
君のいい所ばっか見つけて
君の良いとこばっか考えて
君の馬鹿げた面を拝んでた自分がいたんです。

あぁ。私はこの人が好きなんだ。

そう思ってしまったのはつい最近のこと。
今日は告白しようと学校に来ました。

朝は晴れていたのに、
私たちが帰る頃には雨が降っていました。

あの!
と、そうあの人に声をかけました。
ですが私の声は届かずその人は校門の方にかけて行く。

先にはあの人の恋人が、
傘を持って彼女を手招きしている。

私は後退りし、教室へ戻った。
何か、忘れ物をしている気がして。

また校門へ戻っても、雨はしばらく止みませんでした。

5/25/2024, 10:43:03 AM