机の上に置かれた真っ白の紙。
今日の絵のテーマは、情熱。
周りを見ると、美術部の皆は何を描こうか悩んでいる。
中には、もう描き始めている子がいた。
私もこうしちゃいられない。
再び紙に視線を戻す。
真っ先に思いついたのは、炎。
私は、ここにいる美術部の誰よりも絵が好きだ。
その想いを紙に描く!
鉛筆を持ち、力強く、紙に炎を描いていく。
だが、力を入れすぎたのか、鉛筆の芯が折れてしまった。
顧問の先生に言って、鉛筆を換えてもらう。
想いではなく、これではただ力を入れすぎているだけだ。
もう一度、何を描くか考えてみる。
私は、絵が好き。
だから、好きなものを描いて、誰かにこの熱い想いが届くように……描こう。
「よしっ」
鉛筆を持ち、紙に絵を描いていく。
力を入れすぎず、アイススケートのように軽やかに、滑らかに鉛筆を動かす。
描き終えた絵は、見ているだけで胸が熱くなる、過去一の出来だった。
4/18/2025, 1:17:10 AM