♡愛新覚命♡

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「あれ、その付箋俺も持ってる」

神崎のノートには小さな、パンダのイラストがプリントされてる付箋がついている。
しかもかなりボロボロだ。

「これ山田がくれたやつだよ?」

「あ、そっか」

確かにこの前あげた気がする。なんで忘れてたんだろう。

…ん?

「この付箋1枚しかあげてなかったよね?もしかして使い回してる?」

「う、うん。だって可愛くて気に入っちゃったから」

なるほど…
欲しいなら言ってくれればいいのに
何回も使い回してたら意味ないじゃん…

「ふふっ」
「神崎ってほんと馬鹿だよね笑」

「え!?なに急に!酷いんですけど!!」

「なんでもないですぅ、」

「…ん、」
             「これあげる」

そう言って付箋を渡す、念の為に2枚。

「間違えてたくさん取っちゃったから」

恥ずかしくて目が合わせられない。

「…ありがとう」

顔を見なくても恥ずかしがってるのが声でわかる

「こら、そこの2人喋らない!!」

まずい、授業中だった。

「!?すいませんっ!」

「すいませーん」



僕は神崎の事が好きだ。周りから見たら僕たちはカップルにしか見えないだろう。でも僕たちは友達だ。僕が臆病だから気持ちを伝えられてない。恋人になってこんなものかって失望されたくないんだ。
だから僕はこの、簡単に剥がせてなかったことにできる関係から踏み出せない。
こんなの自分でも情けない。
でも、卒業までは許して欲しい


「じゃあこの問題を〜神崎、いけるか?」

「っはい!!〜〜」

いつもこの席から見える横顔
神様、
ずっとこれだけは続きますように


※フィクション

9/17/2025, 12:34:25 PM