Unknown

Open App

「君と一緒に」

初めて君と会ったときに、気が付いたんだ。僕は、君に会うために生きてきたんだってこと。君と一緒に生きるために生まれてきたんだってこと。

君と出会ってから、もうどれだけ経ったかな。出会った頃にはほんの小さかった身体はすっかり大きくなって、成長が止まったのはいつだったか。お互いに成長したものだ。

一緒に色々なものを見た。食べて、寝て、遊んで。大きくなった。昔は一日中くっついて過ごしていたものだけれど、今では一日のうちのほんの少しの時間しか一緒にいられない。これが大人になるということなら、僕はもっと子供のままでいたかったな。

君と出会ってからの日々は、毎日毎日楽しくて、あっという間に過ぎていった。ほんの小さな子供が、立派に大人になるまでの時が過ぎたのに、振り返ってみるとまるで一瞬のことのように、全て容易く思い出せる。

小さな頃は長く感じた一日は、今となっては瞬きのうちに終わってしまう。なのに、君が隣にいない時間はどれだけも長く感じて、僕は毎日、君と過ごせる時間を首を長くして待っているんだ。

君と過ごせるわずかな時間。何よりも大切に過ごしたいのに、最近はどうにも眠くなっていけない。せっかく君が隣に座っているのだから、少しでも多く話したいのに。瞼は重くくっついて離れない。すぐ近くにいるはずの君の声が遠く聞こえる。

あぁ、待って。まだ眠りたくないんだ。意識が途絶える前に、君におやすみを伝えなくっちゃ。散らばりそうな意識をかき集めて、振り絞った声は、ちゃんと君に届いただろうか。ねぇ、次も一緒にいさせてね。

「……ワン」
掠れて消え入りそうな小さな鳴き声がおやすみと言っているように聞こえた。その小さな身体の呼吸は止まって、微かに上下していた胸も動かない。私が仕事から帰ってくるのを待っていたようにその命を終えた私の親友。私の片割れ。待っててくれてありがとう。ねぇ、今まで楽しかったね。あなたと出会えて本当に良かった。次も一緒に生きて欲しいな。

おやすみなさい。

1/6/2026, 5:50:43 PM