空ノ宵

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え、あ、嘘。雨…。傘持ってきてないんだけど…。
今日は一日晴れの予定だったじゃん…。
ちょっと、弱まるの待つか…

「あれーー!お前まだ残ってたの?!」
「ひゃっ?!」
「何びっくりしてんのさ。」
カラカラと彼は笑う。

突然好きな人が来たらそりゃ驚きますよ!!
「いや…ちょっと傘忘れて…。
 雨弱まるの待ってたんだよね。」
「ふーーん。なら俺の傘入ってく?お前駅っしょ。」
「そう…だけど…いいの?!」
「良いから言ってんのーー。俺の傘でかいし。
 俺ここに傘忘れてたからあるんよ。」
こんな展開来るとは思ってなかった…。
やばい、顔変かも…。あっつ…。どうしよどうしよ。
「…ふははっ。」
「何笑ってんのよ!!」
「いや…ちょっと反応が面白くて…」
笑ってるあなたのこと好きなんですよーーだ。

傘に入れてもらい、彼の隣を歩く。
彼の少し早い歩きについていきながら、彼と今日あったことや最近ハマっていることについて話す。
どうしよう、こうやって話せるの嬉しすぎる。
あーあ。好きだなぁ…。

降り止む様子のない雨。
どうかこのまま降り止まないで。



『降り止まない雨』

5/25/2024, 11:14:31 PM