胸の鼓動
文化祭で、2年1組の出し物はお化け屋敷と決まった。
他のクラスは、グルメショプ的な出し物や部活関連の出し物、クイズ。研究展示。
映えを狙い写メを撮りまくる女子生徒。そんな女子高生に振り回される彼氏。文化祭で忙しそうな先生たち。息子娘に来るなと言われたけどこっそりくる親。
校内はもう賑わっている。
「河野さん、午後担当の人のメンバーに声かけてきて!」
「うん」
「手が空いてる人、ここ片付けてー!」
「手、空いてます」
「やばっ!もうそろそろ部活の出し物!ここ代わりに誰か、テープでとめといてっ!」
「はい」
帰宅部の私はやることが多い。
頼って貰えることがあるのだから嫌ではない。
決して好きなわけじゃないけど。
ストレートで漆黒の髪は染めてると疑われる。
高くて目立つ背はみんなの憧れの目をひく。
真っ白で透き通った肌は手入れについて聞かれる。
全部、私のコンプレックスだ。
クラスの中で孤立してる。あの人は完璧だ、次元が違う。と周りの人の距離は遠い。
「あ、河野さん1人?」
午後に私が廊下を歩いていると、たぶん1番距離の近い、クラスメイトが声をかけてくれた。
「うん」
「一緒に回ろ!」
この人の周りには人がいる。多くの、人。
「何人連れてくるんですか?」
「敬語とタメ口…どう分けてるの…??まぁ、いいや!なんだったっけ、何人?え?そりゃ2人だよ!」
「そう。じゃあ4人」
多い。4人はちょっと…。
「え、あっ、違う違う!僕と2人で回ろっていってるの!」
「…?私と?」
「そうそう!」
クラスメイトは嬉しそうに笑う。
「まぁ…1人よりかはいいかも」
「本当?!ありがと!!」
「あの…ちなみに名前を教えて貰っても…?」
「覚えてなかったの?!いずは!」
「あぁ…あの可愛い名前の」
「…そっ、そうそう!!」
なんだろう。いずはさんの横顔が少し赤い気がする。
「(女っぽい、ってからかってこなかったの河野さんが初めてなんだよなぁ笑)」
疲れたので終わり(((
気分で続き書く予定です
9/9/2024, 9:55:44 AM