とある恋人たちの日常。

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 上司にあたる人が、病院で使う車やヘリ全部の修理を俺の恋人が務めている会社に依頼した。
 
 上司は上司同士と言うか、彼女の会社の社長と仲が良く、腕も買っているため割とよく頼む。
 今回は台数も多いので、人数を連れて出張で修理に来てくれた。その中には俺の恋人もいる。
 
「よっしゃ、みんな直すでぇ!!!」
「「「おー!!!」」」
 
 社長さんの掛け声で、修理が開始された。
 
 ――
 
 もうすぐで全部の修理が終わる。
 彼女の担当している車も修理が終わり、他の社員自分の担当していた修理が終わると、自然と集まって談笑していた。
 
 最後の修理が終わって、上司が支払いをして帰る準備をしている時、彼女が俺の元に来てくれた。
 何かを言うわけではなく、ただ隣に立って寄り添ってくれる。
 
 どちらからともなく、身体で手を隠しながらお互いの指が絡み合う。大好きな彼女の仕草に心が暖かくなりながら、身体も少し軽くなった気がした。
 
 どこかくすぐったい気持ちのまま、彼女に視線を送る。すると当たり前のように彼女と目が合うものだから二人して笑ってしまった。
 
「私も充電」
 
 そう微笑むと、指が離れて彼女は会社の人たちの元へ戻っていった。
 そして楽しそうに社長さんの車に乗り込んで帰っていく。
 
 柔らかく温かい感触が抜けていくのはほんの少しだけ寂しさを覚えた。
 けれど、そう。
 別れ際に指が絡み合った瞬間、確かに俺の心も充電された。
 
 
 
おわり
 
 
 
一三五、別れ際に

9/28/2024, 12:13:14 PM