スミカワ

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私には好きな人がいる。
家が近所で幼い頃からよく遊んでいた。
だから、登下校のときもずっと一緒だった。
しかし、その子は東京の大学に行くらしい。
私はそのことを聞いた時、もう一生会えないと思ってしまった。
なぜなら、私は北海道に祖父がいて、そこで就職することに決まっていたからだ。
そこで、祖父の牧場を継ぐ人がいないから私が継ぐのである。

今日は高校の卒業式。
いつも通り、私はその子と学校に登校をした。
そして、式典が終わり私たちは数人で集まって写真を撮ったり、話したりしていた。
そのときは、その子とあまり話せなかった。
しかし、下校のとき再び2人きりになれた。
いつもと変わりなく、くだらない話で盛り上がった。
すぐに別れは近くなった。
「2人だけでまだ写真撮ってないよね。」
私はその子を引き止めるようにして言った。
「そうだね。」
その子は俯いた。
「2人だけで撮りたいな。」
私は勇気を振り絞って言った。
「たしかに。撮りたい!」
その子は嬉しそうな顔で頷いてくれた。
そして、2人だけの写真を撮れた。
私はそのことにとても満足したが、その子が遠くに行ってしまうことを思い出してまた悲しくなった。
「遠くに行っちゃうけど、また必ず会おう。」
その子はそう言ってくれた。
「うん、必ず。」
私は涙を堪えながらそう応えた。

あの時の涙がまた会えるという嬉し涙だったのか、それとも別れることに対しての涙だったのかは今の私には分からない。

あの日からもう3年程経った。
その子と私は半年に1回程度の頻度で会っていた。
以前一緒に行ったカフェで彼女はこう言っていた。
「私、東京で就職が決まったんだ。これまで以上に会える頻度は少なくなっちゃうかもしれないけど、また必ず会おうね。」
その言葉を聞いて、私は嬉しい反面、悲しかった。
私は、その子が大学を卒業したら地元に帰ってきてくれるとどこかで淡い期待を抱いていたのかもしれない。

それから数年後、彼女は大学時代から付き合っていた男と結婚した。
彼女が結婚してから私たちはしばらく会えていない。
でも、私は写真フォルダを見返す度に思う。
「絶対幸せになってね。」

-叶わぬ恋-

3/31/2026, 3:32:18 PM