美坂イリス

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 さらさらと、砂のこぼれる音がする。
「ふぅ……」
 テーブルの上のティーポット、それと、流れていく砂時計をちら、と見て、私は窓の外へと目を向ける。そこにあるのは、柔らかな夕陽に照らされた庭。やっぱり冬も近づいてくれば、陽が落ち始めるのも早い。
「……ん」
 テーブルの上の砂時計はもうすぐ落ち切るようだ。私は、早くなった夕暮れを、過ぎ去っていく秋を感じながら、カップに紅茶を注いでゆく。

10/18/2025, 2:02:58 AM