@神様へ
始めは、争いばかりする人間がバカらしく思えた。
夜になっても炎が星空を消した。
叫び声とともに、命がどんどんなくなった。
私より小さい子供にも会ったことがある。
不公平だ。
命は平等であるべきだ。
私が望んだ世界はこんなものではない。
私は、世界から悪い奴らを削除した。
平和を望む、罪のない人間のみの世界を作ったのだ。
しかし失敗した。
悪い者を取り除いたのに、また争いが起こった。
次に、人間から邪悪な感情を削除してみた。
また失敗した。
平和にはなったが、見ていて気持ち悪い世界だ。
正気が感じられない。
失敗。
失敗。
失敗。
失敗…。
『かみさまへ
パパにあいたいです
パパといっしょにあそびたいです
いつになったらパパはかえってきますか?』
『神様へ
戦争をなくしてください。』
『神様。どうか我々をお助けください。』
一人の少年が私に問いかけた。
「かみさま。なんでたすけてくれなかったの?
ぼくしんじゃったよ?まだ、あそびたいのに…。」
涙を流す少年に、私は外を眺めたまま答えた。
「…平和は争いがなければ生まれない。
助けられない命は見捨てるしかない。」
「助けられなくて、ごめんね。」
私は溢れた感情を押し殺した。
4/15/2024, 8:54:30 AM