「虹の架け橋」
ふわ、ふわ、
真っ白に輝く空で、僕は白い羽を動かし飛んでいる。
輝く空は、光は、僕には眩しすぎるんだ。
「天使ってやだなぁ........」
ぽつりと呟いた言葉が心にずっしりと乗っかる。
いつからだろう、この白い羽が嫌になったのは。
仲間たちは自分が清いことを誇りに思っている。
いや、思い過ぎているんだ。だから心の醜さに気づけずに堕ちてしまう。
「......僕は気づいているけどなんで堕ちれないんだろう」
天使から堕ちることを望んでいる、と他の仲間が知ったら失望されるだろう。だからこれは、僕だけの秘密だ。
一度だけ、堕ちた天使を見たことがある。
空の下で羽ばたいていたそれは、羽が真っ黒に染まり目が真紅に光っていた。
「........きれい、」
思わずそう口に出していた。
それに気づいたのか、その堕天使は僕の所に飛んできた。驚いたがその目に捉えられた瞬間、体がなにかに縛られたかのように動かなくなってしまった。
「天使か…お前は堕天使を綺麗だと思うのか?」
「......うん」
「ふっ......変なやつ」
そうやって堕天使は目を細めて笑った。
9/21/2025, 11:06:30 AM