硝子月

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物憂げな空

 屋上に寝そべりながら耳を澄ましてみる。大人の話し声、笛の音、笑い声。自分がいなくても変わらない日々。
 目の前には、どんよりとした曇り空が広がっている。もう何日も晴れた空を見ていない。
 目を閉じた。一番仲が良い友人、両親、バイト先の先輩、いつも行く本屋のおじさん、初恋の人、そして黒いフード姿の人物。
 目を開けた。あの日から一ヶ月以上経っただろう。いくら考えたって毎日を適当に過ごしていた自分にわかるはずがない。悔しいと思うことが間違っている。最初の頃はいろんな人に会いに行った。でも誰も何も答えてくれなかった。
 もう諦めた。時間ももう無い。大きく広がる薄暗い空だけが、自分を見ている。
 「お前も俺が嫌いなんだろ。」
 そう呟いた自分を鼻で笑うと同時に、聞き慣れたチャイムが鳴った。がやがやと楽しそうな声が聞こえる。無性に腹が立ってくる。
 「せめて最後ぐらい晴れろよ!」
 彼がそう叫んだ時、ガチャっと屋上の扉が開いた。一人の生徒がキョロキョロとあたりを見回しながら入ってくる。続いてその生徒の友人らしい二人の生徒も入ってくる。
 「どうかしたのか?」
 片方の友人が聞く。
 「いや、誰かいたような気がしたんだけど、気のせいだったみたいだ。」
 いつのまにか屋上は、明るく照らされていた。
 

2/26/2026, 12:52:56 PM