川柳えむ

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 私には誰にも言えない秘密がある。
 当然誰にも言えないのだから、それは一人で墓場に持っていくくらいのもの。
 たまに吐き出してしまいたくなる。誰かに聞いてもらいたくなる。
 けれど、それすらできない。することは許されない。それだけの秘密を持ってしまったのだ。
 でもきっと、誰だってそんな秘密を持っている。だから、そんなに自分を責める必要はないのかもしれない。
 でも、この秘密抱えてしまったことは、この秘密を話すことは、きっと許されることじゃない。だから、これこそが私への罰だ。
 それでももし、私が話したくなってしまったら、貴方はこの秘密を何も言わずに聞いてくれるのだろうか。
 私の、死ぬまで抱えていく、今はまだ誰にも言えない秘密を。


『誰にも言えない秘密』

6/5/2024, 10:31:24 PM