お題『太陽の下で』
友達と学校から出たら外がとんでもなく寒かった。それでも膝より上の短い丈のスカートをはく私たちにはどうしようもない。なんでうちの学校は靴下まで学校指定のもので、せめてタイツじゃないんだろうと思う。スラックスだってはいていいってなっていいと思う。
そんなことを考えてると、となりにいた友達が白い息を吐きながら言った。
「あのさぁ」
「ん?」
「連想ゲームしない?」
「なんで?」
「寒すぎるからせめて、夏を感じたい」
「えー、でも今年の夏すごく暑かったじゃん」
「じゃぁ、そこまで暑くなってない想定で」
「なにそれウケる」
しばらく笑った後友達が「太陽」と呟いた。
ここで「かんかん照り」と答えたら、今年の汗が止まらない暑すぎる夏を思い出す。それは嫌だなと思って
「海」
と言った。それから
「砂浜」
「水着」
「ボール」
「浮き輪」
と続いて、ふと友達が「外国人」と答える。
「なんで?」
思わずつっこむと、友達が
「なんか、海行きたくなってきた」
「でも、なんで外人?」
「ハワイだよ、ハワイ」
「あぁ」
そんなやり取りをしてたら、本当に海、いや、ハワイに行きたくなってきた。その考えを見透かしてたのか友達が言う。
「うちらさ、大学になってバイトできるようになったらさ。ハワイ行こうね」
「なにそれ、ずいぶん先」
「うちの学校、バイト禁止じゃん」
「うわー、校則が厳しいのマジでしんどーい。はやく大学生になりたーい!」
「うちら受験勉強あるよ」
「うげぇ」
勉強が嫌いな私が心底げんなりしていると、不意に友達が
「現実逃避」
と呟いた。
「えー、別に良くない?」
「連想ゲーム、連想ゲーム」
「あっ、そか……えと、旅行」
「飛行機」
「グアム」
そんな感じで、できるだけあったかそう……いや、暑そうなものを思い浮かべながら私達は連想ゲームを友達と途中で別れるまで続けた。
11/25/2024, 11:39:23 PM