束の間の休息
ちびさんたちと学校へ歩きながらごみを出し
ちびさんたちが学校に行きたくないとぐずったあとの嵐のような部屋を片付けて
ちびさんたちが絶対に世話をすると約束したかつて雨に濡れていた子犬に餌をやる。
山のような洗濯物を乾かして畳んでアイロンを掛け棚に戻し
適当に余り物のご飯を食べる傍ら恐らく人間よりも高いごはんを食べている犬を見つめる。
あぁはいはい散歩に向かおうね。
ちびさんたちはお菓子を買えないと文句を言うけれど
スーパーに連れて行くと時間が倍かかるし数量限定品には間に合わないし
保冷バッグを片腕に掛けながらちびさんたちと手を繋ぐのも中々疲れるんだよってことは
そっと胸にしまっておくけれど
夕飯
お風呂
宿題と音読のはなまるじるし。
犬に餌。
あのね、今日ね、せんせいがね。
たーくんがわーってね、
きゅうしょくできなこの揚げパン、じゅわわーってしたら、
自分でもできるって言ってたよ!
なんのことかわからんぞ、ちびさんや。
ちびさんたちが目を閉じたら不意に訪れる静寂に
時計の音が大きく聞こえたりして
ああ今日も一日なんとか終わったなあなんて息をついたりして
あ、洗い物終わってなかった。とか
今朝片付けたはずの部屋だよなあここ、とか
結局この犬世話してるのちびさんたちじゃないよなあ、とか
色々思うこともあるけれど
きっといつかそんな恨み言さえ懐かしく思い返す日が来るから、
今はそっと目を瞑ってやり過ごそう、
…
やり過ごせたらいいなってそう思う。
10/8/2024, 11:35:53 AM