テラ

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君の泣き声が聞こえてくる。
お前と仲良くするのは飽きましたと言って、また一人ともだちが土に還る。墓石は腰掛けるのにちょうどいい具合、下からカラコロ楽しそうな声がする。埋まる人々の亡霊よりも、じりじりと肌が焼ける音が恐ろしい、朝が昼になるのが恐ろしい、僕は死んだことがないので、死ぬより恐ろしいことが多くある。
君の泣き声が聞こえてくる。
お前より苦しい人間はごまんといる、と叱られる。憐れさを比較しなさい、より憐れっぽい人を見極めなさい、そして安心しなさい、と殴られる。君の世界は君の中にしかなく、そこで死にかけてるのは君しかいないが、君は憐れではないらしい、
そんなの狂ってるって僕は言うよ、この傷が化膿して君自身を死に至らしめてくれれば何か分かるかもしれない、それだけを希望にすることは、馬鹿げた話だよ、なあ、君は十分やさしかったよ。
ほら起きて。僕ら戦争にいかなきゃいけない。

時を告げる

9/6/2022, 4:21:50 PM