澄んだ瞳…
…
昔、この子は瞳が普通じゃないね…と言われた事があった。

同い年には、そんな事言われた事が、ない。

ほとんどは親世代かそれよりもっと年上の、それも、女性に言われる事が多かったように思う。

言われた本人は、何のことなのかさっぱり解らない…周りの友達に話してみても、誰もぴんとこない様子で首をかしげるばかり…

一体、どういうことなんだろう…
それは、変ってことなのかなぁ…
人と違うように、見えてるってことなのかなぁ…
普通じゃないって…
普通って、どんな事を指すんだろう？

頭の中にずーっと？？？ハテナマークを抱えたまま、大人になった頃、その意味を知ることになる。

昔の写真を整理して古いアルバムを引っ張り出した時、赤いランドセルを背負って茶色の長い髪にレースと造花のついた白いツバのある帽子を被り澄ました顔の私がいた。

髪の毛は、昔から茶色…色素が薄かったのか目の瞳も茶色…肌は透き通った白い色をしていた。

当時、他の子はほとんどが黒髪、黒目で、そういえばよくどうして茶色いの？と聞かれていた記憶が蘇る。

家族の父も母も姉も黒髪黒目で、ほんとだ…私だけ茶色だったな…いや、今も同じだ。

これだ！このことだったんだ！とひとり、合点したのも束の間、その事を最初に言った人も思い出した。

お婆ちゃんだ…。
それも、どういう事なの？と聞いていた事も思い出す。

この子の瞳が普通じゃないといった意味は、白目の部分が青いと言われたんだ…
他の普通の子は白目は白いけど、この子は白目が、青みがかかった澄んだ目をしている…
黒目の部分も家族とは違う茶色の綺麗な色をしている…この子はね…

意思が強い子だ。

良い言い方をすれば意思が硬い、悪い言い方をすれば頑固だね！
と、お婆ちゃんは話してくれた。

ふふっ、不思議な力でも宿ってるのかと思った〜
流石！長く生きているだけのことはある。

大人になった私は、お婆ちゃんの予言？通り頑固まっしぐらだ。

確かに、意思も強い。

お婆ちゃんなりに、幼い私を褒めてくれたのかな…と思う。

今はどうなのかな…
まだ、澄んだ瞳をしているんだろうか
ね？お婆ちゃん、どう見える？
聞いても　きっと　ふふふ…と笑うんだろうな…





*読んで下さり　ありがとうございます*

7/30/2023, 11:41:10 AM