自分含めたいつもの3人と最近仲良くなったばかりの1人を加え俺の部屋に集まっていた。
本来なら懐かしのゲーム機を出し、遊び和気藹々とした空気で満たされているはずだったその空間は『一生主食を一つしか食べられないならご飯かパスタか』で白熱していた。
…いや、正確な情報を付け加えるのであれば白熱しているのは前から仲が良かった友人2人だけで、残された2人は困惑しながら眺めているだけである。新顔の友人に至っては可哀想なことに関係値があまり築かれていないのでどこか居心地悪そうな顔さえしている。
始めは米とパスタそのものの長所で討論していた2人だが、今は「米粉パンは米に含まれない」とか「うどんはパスタじゃないだろ」と真面目な顔して一触即発の鋭さすら孕んだ温度で話し合っているのだ。呆れたものである。
ちらり、傍観者の同士と目が合う、言葉が無くても不思議な事に通じ合うものがあった。
そろそろゲームしない?言おうとした所で愚かな2人の会話が途切れ一瞬の静寂が空間を満たした。
ただの静寂ではない、衣擦れすらよく響く静寂だ。
ぐぅ
授業中に鳴る携帯くらい響き渡る腹、ジワジワ熱くなる顔。ただの生理現象で恥ずかしい事じゃない。黙って心の中で言い訳を重ねる自分を見兼ねたのか同士が救いの手を差し伸べてくれた。
「あぁー…。ハンバーガーでも食べに行かない?」
後光が差してる。一生友達で居よう。新たな親友の優しさに感激し信奉者になるかと思った。
『時を告げる』
9/7/2024, 10:56:46 AM