月白の髪、紫翡翠の瞳、白磁の肌、整った特徴の無い顔立ち。『美の権化』、そんな言葉が浮かんだ。翠色の衣を身に纏い、その手には銀の剣を握られていた。まだ齢十二、三の童だ。一瞬だけ、目が合った。僅か、一瞬。その一瞬で、殺された。手練れの部下が、いとも容易く、首を斬られた。あれは、到底、人間技では無い。洗練された、剣舞のような剣術。どれだけ人を殺めれば、あの領域に達するのだろう。
1/16/2024, 1:03:16 PM