君の目は深い深い、うみの色。
うつろい、揺らぎ、光を反射する。
君の目を見つめると、暗い深淵の底に
誘われるように吸い込まれていってしまう。
もがけばもがくほど絡め取られて、
君の目から視線を離せなくなって、
―――そして、手遅れになってから気付く。
君のその目が何も映していないことを…。
君は何も見ていない。君は誰も見ていない。
目の前に立っている僕の姿すら一分も留めず、
ただ、そこにありて――あるのみ。
けれど君のその目はあまりにも美しく純粋で、
だからこそ僕は君を愛してしまったのだろう。
【君の目を見つめると】
4/6/2024, 3:27:15 PM