ストック

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Theme:夜景

子供の頃、夜空に輝く星でネックレスを作るのが夢だった。
もっと大きくなって背が伸びたら、村の櫓から星を掴んでネックレスを作ろう。
君はきっと喜んでくれるだろう。

歳を重ねると、星ではネックレスを作れないことを知った。
更に歳を重ねて村から都市へ出ると、星が見えないことを知った。
眠らない都市では、星の代わりに眩しいほどの灯りがずっと輝いていた。
都市の夜景には、星はなかった。

それから更に時を経て、俺は都市で出会った女性にプロポーズした。
どんな灯りにも負けない輝きを放つダイヤモンドの指輪だ。
結婚を報告しに故郷の村に帰ると、君は素朴ながらも美しいパールのネックレスをしていた。
君の腕に抱かれた小さな男の子が、パールを掴もうと必死に手を伸ばしている。

満点の星空の下での淡い願い事を懐かしく思い出しながら、俺は妻となる女性の手を取った。
俺も君も違った夜景のもとで、それぞれの道を歩んでいく。
久しぶりに見た満点の星空は温かく、それでいてどこか寂しく思えた。

9/19/2023, 8:52:45 AM