NoName

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最近、時々、布団に潜り込んでくることがある。不用心じゃないか。そう言うと、それなら君がこっちにきてよ。という。それは、そうなんだが、それができたら苦労はしない。いや、苦労というか、悩んでいないというか。たまにはいいでしょ、いつどうなるかわからないのだから。そうして共に過ごす夜は、なにをするでもなく、肌寒さを誤魔化すように、少し触れた体温にぼんやりと浮かび上がってくる感情と睡魔がとけこんでいく。年上の矜持もなんのその、先に寝て後に起きるのは俺だが、あいつにとって意味があるのなら多少の醜聞はどうでもいいと思う。

梅雨

6/2/2024, 4:49:11 AM