「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十九話」
あやりんの家の前まで来た由里とスノーは、目を丸くしていました。
「ウワッ、デッカ!」
「やっぱり、あやりんの家、大きいー!」
あやりんの家は、門が1kmはあるでは無いかと言う大きさで、遥か遠くに巨大な豪邸があるのでは無いかと言う居住スペースが存在していました。
「まるで、林檎の拠点みたいやな…」
「スーパースターは財力が違うのよ!」
「成功者はな…」
スノーは、少し落ち込みました。由里は、インターホンを鳴らしました。
「はーい、上がってー」
「え?上がって良いんですか?友達、連れて来たんだけど、構いません?」
「良いよー」
由里とスノーは、家の敷地に入りました。
「デケー庭やな、一気に突っ走ってくで?」
スノーが走ろうとすると、無人バスに乗った由里は呼び止めました。
「そんな事しなくても、バスがあるから大丈夫ですよー!この国の豪邸には、乗り物が必ずあるからー!」
「へ?そうなん?」
スノーは、きょとんとなりました。そして、バスに乗りました。
「三次元の芸能人の財力は2.5次元とエライ差やな…」
居住スペースに着いた二人は、家に上がりました。
「自動ドアって…スゲーな…カッコイイぜ!」
スノーは、大興奮していました。
「由里の友達、ヒップホッパーか何か?」
「うん、そんなモンだよ」
「まぁ、部屋に上がって?」
あやりんは、二人を部屋まで案内しました。
「スゲー!家デケー!一人でこの大きさかよー!」
「うちの家、喜んでもらえて嬉しいよ」
「まさに、部屋って言うより体育館!」
スノーと由里は、目を輝かせていました。
「まぁ、立ち話も難だし、お茶でもどう?」
あやりんは、ティーセットを持って来ました。
「こ、コレは…貴族の家でよく見るアレやな!」
「お姫様みたーい!」
「どうぞ(この二人、本当に貧乏なんだな…)」
あやりんは、話題を変えた方が良いなと思いました。
「由里は、好きな人とか居んの?」
「好きな人?勿論、斉木くん!」
「やっぱ、芸能人なんだ。それって、ファンとして?」
「うん!」
「じゃあ、現実世界の身近な人では?」
「うーん、今の所居ないかな…?」
由里は、考え込んでしまいました。
「じゃあ、友達君は?」
あやりんは、スノーに話を振りました。
「オレは…」
スノーは、あやりんに耳打ちをしました。
「なる程、分かった」
「えっ、一人だけ内緒話?!ズルーい!」
「由里は、何でもかんでも言いふらしそうやからな」
「ヒントぐらい教えてよー!」
「耳打ちで分かるやろ。君みたいな遠い人間やない」
「アハハ!」
あやりんは、笑顔で大笑いしていました。
「あやりんさんは?」
「うちは、軍人だな。でも、憧れで終わりそう」
「あ…」
三人は黙ってしまいました。
「でも、その人の幸せ考えて、あえて距離置いてるんだ。近すぎたら、向こうも苦しむから」
「軍人だったら、いつ戦死するか分からんモンな」
「ごめんなさい…」
「良いよ、この話題仕掛けたのうちだし。それより、別の話する?」
「じゃあ、今度は…」
「(距離を置くか…仲間達、戦死するかも知れんからな。もしも、その時は…フロンティアウォーカーの一員になるしか無いんやろか?)」
スノーは、考え込んでいました。
「しかし…果てしなく広い家やな。双眼鏡で見んとな」
スノーは双眼鏡で外を見ると、スカイそっくりの薄いベージュの肌、大きな焦茶の隻眼、キャメルのマッシュルームヘア、痩せ型で平均身長、黒縁眼鏡を掛け、英国風なスーツを来た真面目過ぎるインテリの軍人がスノーの方を見ていました。
「…すまん。用事思い出したから、ちょっと行って来るわ。由里は、帰る時間になったら先帰ってや」
スノーは、外に出て行きました。
「あ、行っちゃった…」
スノーは、軍人の近くまで俊足で走って来ました。
「オイ、スカイ!拠点はどないしてん!もぬけの殻やったら、また泥棒に…」
軍人は、スノーを上回るスピードでスノーを攻撃し、気絶させました。
「要注意人物、捕獲成功」
「ターキー大佐、いかが致しましょう?」
「このまま本部に戻る」
ターキーとその部下は、スノーを連れて行きました。
2/18/2023, 12:25:28 PM