槙島驟

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「呪い」と「縛る」と書いて「呪縛」と読むらしい。
呪いのようなもので縛られていることの状態を指すんだろうということは、文字を見て明らかである。
しかし、それは百パーセントマイナス面であろうか。呪いのような幸せや愛や、そんなものはあると断言しよう。

過去を巡った時に、「ああ幸せだった。あの人の愛をいつのまにか懐かしく思い出しては残り少ないあの日の温もりに手を伸ばしたくなる」なんてこと、私にはたくさんあって不幸だ。

愛だの恋だのそこからくる幸せは大概がその時そのあとまどろむような柔らかで徐々に、時々強く首を絞める呪いになる。その絞め具合すらも愛おしくて、いつしか縛られて「呪縛」の完成にたどり着く。

5/24/2023, 2:16:41 AM