康人

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『桃雪樹』

撓る枝は毛筆の如く
明ける空に明星の如く
方目東に植えられた
聳える桃雪の様に
歴然たる名君を想う

焦れ足るは主人の如く
陽は遠く吉報の如く
方目西に建てられた
聳える石碑の様に
陽明たる某を想う

名付けは古く桃雪樹
詩を吟じ恋い慕う
遠い師を思えば
遠く遥かな

止まぬ雪は永遠の如く
亡くす空に鳴雪の如く
方目冥に向けられた
隠せぬ来迎の心に
混迷たる時代を想う

垂れる氷は雲龍の如く
去りゆく風は切願の如く
方目北に餞た
愛せぬ蓮風の舞に
神明たる輝きを待つ

名付けは古く桃雪樹
詩を吟じ恋い慕う
遠い師を思えば
遠く遥かな

首を長くし
指を折っては
祈り明かしている
声を細くし
音を削っては
待ち焦がれている
あなたを見る日を

名付けは古く桃雪樹
詩を吟じ恋い慕う
遠い師を思えば
遠く遥かな

名付けは古く桃雪樹
詩を吟じ恋い慕う
遠い師を思えば
遠く遥かな

1/10/2024, 12:50:41 PM