『雪を待つ』
※あくまでも実体験に基づく個人的意見です。
これは雪国で育った人間の言い分のひとつとしてここに記録しておく。
この時期は、早く雪が降らないかなと、雪を待つセリフをよく聞くし見かける。
……雪を待つ?
冗談じゃない。
──雪は嫌いだ。
なぜかって?
そんなこと決まっている。
雪の降る量が尋常ではないからだ。
毎年毎年、家がすっぽりと埋まる程の雪が降ってみろ。
雪かきを朝起きてすぐ、通勤前、場合によっては朝の職場の駐車場でも、そして仕事終わりに職場の駐車場で、家に帰宅してまた家の前を雪かき。
──これが雪の降る限り無限に続く日常なのだ。
どれだけ懸命にしても、減らないのだ。
むしろやったらやった分、雪かきをする前の量まで戻ってしまう。
挙句、雪かきをしないと雪の重みで家が潰れてしまう。
しないとしないでやる量が増え、したらしたで無常にも戻される。
これを雪国の者たちは、積雪の量が違えど毎年やっている。
もちろん連日するので筋肉痛とも友人になってしまう。終わらない筋肉痛というのもなかなか辛いもの。
雪が降らなくなったその時初めて、永遠にも似た地獄からやっと解放されるのだ。
雪が降らない地域の者が、一度こんな地獄を経験したら、大抵は二度と経験したくないと言うだろうなと考えるのだが、あなたはどう思うだろうか?
12/15/2022, 11:07:59 AM