不条理。
追い詰められた狐はジャッカルよりも凶暴だ。
何処かで聞いたような言葉が頭によぎる。
既に虫の息だと思っていたものは懐に忍ばせておいた銃で次々とこちら側の手勢を潰している。
ただ生き残るために。
鋭い動きで相手に近づき急所に一撃を与えていく。腕に、顔に、傷が付けられようとも歩みを止めず、後ろには倒れ伏した人の山になっていた。
どこにそんな力が。
確かに決定的な傷を負わせたはずなのに。
気が付けば目前まで近づかれていた。
異様な空気を持った悪鬼のようなものが、目を爛々とさせてこちらを睨んでいる。
ああ、なんだ。
こちらがハンデを負わしただけなのか。
「こんなの不条理だ」
そう呟いた私の意識はそこで途切れた。
3/18/2026, 11:52:06 PM