苑羽

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画面の中の君。
スポットライトに照らされたステージ。舞い散る銀テープ。波打つペンライトの光。君の笑顔。
その全てがあまりにも眩しくて、目が眩んでしまいそう。
君は人たらしだ。3次元に興味もなかった私を、いとも容易くオタクに仕立て上げた。
画面の中の君。
誰か知らない人の肩を、大事そうに抱いていた。華やかな衣装と対照的な、地味なシャツにくたびれたジーンズ。つけているのを見たことがないサングラス。
その全てが仄暗い影を秘めていて、いっそ目が潰れてしまえば楽なのに。
本気の恋は、大量のうちわと雑誌とアクスタと共に、フリマサイトで売られていった。
「初恋」

9/13/2023, 9:43:16 AM