ストック

Open App

初めて出会ったその瞬間から、貴方のことが気になって仕方がなかった。
気がつくと、常に貴方を目で追っていた。
貴方と過ごす他愛ない日々。貴方は気づいていなかったかも知れないけど、私にとっては特別な日々だった。

そんな日々は突然終わりを迎えた。
貴方は私たちを裏切って、私の前から消えてしまった。
私たちは貴方を追った。仲間としてではなく、敵として。

貴方と私は久しぶりに向かい合っていた。
互いに銃を向け合いながら。
貴方と私はほぼ同時に引き金を引いた。

私の放った銃弾は貴方の胸を貫いた。
同時に、貴方の放った銃弾も私の胸を貫いた。
胸を押さえながらゆっくりと倒れる貴方。
私はゆっくりと貴方に歩み寄り、貴方に折り重なるように倒れる。
紅く染まった貴方の手に、手を重ねる。
「やっぱり貴方だったんだね」
互いの血で紅く染まった手。小指に絡み付いた紅が、私たちを繋ぐ、赤い糸。

6/30/2023, 4:59:59 PM