koyagi

Open App

「やばい遅れる…!!」
「歩くんじゃねぇぞ走れ走れ!!!」
「前髪……なんて気にしていられないわ!笑」
「間に合えっ」
キーンコーンカーンコーン…と、
流石に聞き飽きたチャイムが鳴り、挨拶を終えた瞬間、
私達は、全力疾走で廊下、階段を駆け抜ける。
歩いている暇なんてありゃしない。
皆必死だ。
我が校の授業間の休み時間はたったの「5分」。
まぁ大体の学校がそうかもしれないけど。
移動教室がある時は、走らないと間に合わない。
だから、こうして私達は走っている。
ドタバタと音を立て、
大人数で走る様は、少し不気味かもしれない。
階段を2段飛ばしで駆け上がる。
そして、いつも思う。
なんで、この学校は4階もあるの!?……と。
1階から3階まで登らなければならない。
しかも、前の先生の授業が長引いたから、結構やばい。
もうあの先生嫌い。
5分しかないんだよ!?
いっその事全部10分にしてよ。
3階にある教室が見えてきた。
廊下を駆け抜ける。
教室のドアを潜ろうとしたその時、
チャイムが鳴った。
椅子に着くまでが、勝負。
色んな机にぶつかりながら、席へ進む。
よし、座れた!
そう思った時にチャイムは鳴り終わった。
「…余韻はセーフで!!笑」
「いやぁ疲れた〜」
お互い称えあったあと、窓を全開にして、
まだ少しの熱気を残したまま、授業が始まった。

10/8/2024, 10:59:35 AM