正直、オレにとっちゃ景色なんざ、どうでもいいモンだった。
生きるのに必死な時ってのはよ、
空の色も、風の匂いも、目に入っちゃいねェもんさ。
でも、不思議なことに、
あんたといた時間だけは、妙に鮮明に覚えてるんだよな。
あの日見た桜の色、
夏の夜に響いた虫の声、
冬の朝、白い息を吐きながら歩いた道。
どれも、あんたが隣にいたから、
オレの中に残ってるんだろうよ。
景色なんざ、いくらでも変わる。
でもよ、お前と見たソイツだけは、
オレの中じゃ、変わらず残り続けるんだろうな。
君とみた景色
3/21/2025, 3:27:36 PM