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私は手を合わせて、月に願いこがれる。
『宇宙へ行きたい』と。

小学生のときは、そんな
大逸れた夢を思っていたけれど、
今は違う。

普通に会社へ生き、仕事をして
家に帰り、ご飯を食べ、お風呂に入り
就寝する。

月~金まで 

そんな、
平凡で、つまらない人生に時間を使っている。

そんなことをふと思い、
見上げた空には、闇夜を照らす月が輝いていた。

私は、そんな感情的な人ではないのだが
何故か、涙が出てきた。

月を見た瞬間、溜め込み過ぎたなにかが
一気に流れたかのよう。

まるで、壁止めていた水の板を外し

一度に流すようなそんな感覚だった。

私にとってその時の月はきっと
暗闇に輝く太陽のように見えていたのだと思う。

電気のついていない、町並みはまるで
自分の心のようにまっ黒で、
何も期待していないかのように、無関心で。

そんな中、輝いていたのが月だった。
一筋の光に私は、もう一度その時の泣きながら
願いこがれた。

『宇宙にいけなくても、
 特別な人間じゃなくてもいい。
 自分の好きなことをさせてほしいと』

傍からみれば、お菓子を買ってもらえず駄々をこねる子どものように見られていたのかもしれない。

けれど、そんなことは、考えたくないくらい。
私の心は、限界を迎えていたのかもしれない。

その日を栄えに、何か自分の人生がすぐに一変したかと言われれば、そんな都合のいい話はない。
けれど、心はほんの少し余裕ができたのだと思う。

なぜだか、わからないけれど
俗にゆう、上を向く心理的効果の影響を受けているだけなのかも?

そんなことはさておき、今日の私の一歩を
いつもよりもほんの少し大きかったと思う。

5/26/2024, 10:15:47 PM