目を覚ますと目の前に彼がいた。
彼は、東側の小さい窓からさす朝日を
ゆっくり眺めてから私の方を向いた。
そして私の目を真っ直ぐと見て言った。
[天国に行かない?]
……天国に? 何を言ってるんだろうか 行けるもんなら行ってみたいけど…
というか眠い。
私は、今何時だろうと携帯を取った。
02:24
まだ深夜だ。まだ眠れる。
天国とかそういうのは後にしよう。
[まだいいかな。]
と言って二度目の寝る準備を始めた。その時ふと
…なんで深夜なのに朝日がさしているんだ?と疑問に思ったので確かめようと窓に目をやると彼がいなくなったことに気づいた。私は、今まであの男の人を彼と呼んでいたが見た目は小6ぐらいだった。つまり子供だ。
心配になって、まだ寝起きでフラフラな体を最大限に使い玄関のドアを勢いよく開けると、、、
私は絶句した。
火、火、火、回りのどこを見ても目に映るのは、燃え盛る炎だった。
あぁそうか。ここは地獄だ。
全て思い出した。私は、火事で死んだんだ。
たった1人の可愛い弟を守ることもできずに。そうか、そうか。
そして彼女は、自ら火の海へ飛び込んだ。
[ケプリ様行ってきましたよー!]
[おー ににお疲れ様。]
[どうだった?あいつの様子は?]
[相変わらずだよ。ずっと自分を責めてるね。]
[ふーむ、そうか。]
[にしてもさー悲しい人だね。たった1人の弟を守れなかったっていって願いごとかあれだなんて。これじゃあまるで地獄じゃないか]
[仕方がないね、願い事を叶えるのが私達の仕事だ。]
[それもそうだね]
ーオオデマリに彼岸花ー
5/27/2024, 1:30:35 PM