霜月 朔(創作)

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向かい合わせ



憧れの君と俺は、
何でも正反対。

仕事が出来て、
上司の信頼も厚く、
部下から頼られてて、

間違った事には、
きちんと言い返せる。
なのに、とっても優しくて。

そんな君と違って、
俺は、人の影に隠れて、
言われた仕事を、
黙々と熟すだけ。

ある日。
君とお茶をすることになった。
向かい合わせに座る、
君と俺。
真逆の二人。

ほら。
俺は右手でカップを持ったけど、
君は左手でカップを持ったんだ。
ああ、こんな事まで、
君と俺は真逆なんだ…って。

だけど。
向かい合わせだと。
まるで君と同じ動きを、
しているみたいに見えて。
少しだけ、
君に近付けた気がしたんだ。

8/25/2024, 6:40:44 PM