お前が彼女にとって唯一無二の『特別な存在』になりたいのなら。
お前が彼女に何かを捧げることの見返りとして、そう感じて欲しいという、その気持ちを捨てることだ。
見返りを期待することなく、日々彼女に奉仕し続けること──それには、彼女に直接働きかけるようなことだけでなく。
彼女が彼女でいられるよう、彼女のテリトリーを侵さないように、自分とは一定の距離を置く、そんな必要だってある。
彼女を知らない人からすれば、本当に『バカみたい』な滅私奉公の精神で、お前は、どれだけ彼女に尽くすことが出来るのか?
繰り返すが。彼女からお前への、積極的な接触等の見返りを期待することは、一切出来ない。
そのすべては彼女の気の向くまま、彼女の気分次第で。
彼女は、そういう──狂しいほど身勝手で、美しい生き物なのだから、それをただ受け入れることでしかお前は、彼女の特別な存在には決して、なれないのだ──。
「……だから! ただ寂しいってだけで、酔った勢いなんかで彼女をお迎えするのは、絶対に違うってこと! 彼女に一生見向きもされない覚悟が、お前にはあるのかよって話、俺の言ってる意味、わかるか?」
「っ、じゃあ。明日シラフになってもその覚悟があれば俺は、彼女を迎えに行ってもいい、そういうことだよな」
「いや……せめて、一週間くらい悩め」
「ええっ?! そんなモタモタしてたら彼女は、他の奴に、」
「彼女を迎えられるだけの、お前の甲斐性を確認するのが先なんだよ。彼女を幸せに出来るのは、お前だけじゃないんだから……まぁ縁があれば、お前のことを待っててくれるかもしれないなー」
「っ、クッ……わかった。それで? 俺は、何から始めればいい?」
「金と、それから知識。もっと具体的なことを知った上で、覚悟を決められるかどうかだ」
「よーし……俺は頑張る、だから俺を待っててくれよ、ニャーコ!」
「えぇ……あの猫チャン、お前が引き取ったらそんな名前になんの?」
3/24/2026, 9:21:44 AM