「言葉はいらない。ただ…」
僕からの告白にほほを赤らめうつむく彼女。それきり何も言わないことに僕は焦る。驚かせてしまったか。彼女はゆっくりと顔をあげ、微笑んでいった。
「嬉しいわ。私たちの間に、言葉はいらないわよね」
僕の心は湧きたった。つまり、それって……!
「さあ……いくわよ!」
彼女は覚悟を決めたのか、凛々しい表情でフンと腕を曲げた。そのまま力を入れると、彼女の体はめきめきという音とともにみるみるうちにまるで餅のように膨らんでいく。あっという間に彼女の体は鋼のような筋肉でおおわれた。
僕はあまりの出来事にぶるぶると震える。なんだこれは。いったい何が起きている?
彼女が、その美しい本来の姿を見せてくれる時が来るなんて!
感激して武者震いが止まらず、熱い涙があふれてくる。ああ、これだ。僕が見たかった、愛している筋肉だ。
そう、僕たちに必要なのは言葉じゃない、ただ筋肉があればいい!僕も自分の体に力を入れて筋肉を開放する。君にあこがれて、必死の筋トレを続けて手に入れた黄金の肉体。
さあ、語り合おう、筋肉で!
8/30/2023, 1:13:36 AM