惟新の角部屋

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あっついなぁ…まだ3限かよ…

うんざりするような古文の授業に俺はもう限界と
言わんばかりに机に突っ伏した。
「おい!寝るんじゃねえぞ!」
すぐ怒号が飛ぶ。定年過ぎた再雇用の爺様先生だ。
よく分からない昔話をしょっちゅう挟むせいでおれの眠気は増すばかり。いい迷惑だ。
まあ、この暑さじゃあ、爺様のお経みたいな授業でも寝られないか。

秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ

「え~、これは百人一首の81番目でな…だいたい今頃のことを詠んだ歌とされていて…」

始まったよ。またよく分からない。第一こんな暑い中昔の人はよく月だなんだと言えたな…俺なんて蒸し暑くて寝るのに精一杯だよ。

「私が小さな頃は、秋風が気持ちよくてなぁ」

そもそも秋風って何なんだよ。10月に吹く風は、蒸し暑くていやーな風じゃないのか??
まあ、爺様の作り話か…

11/14/2023, 12:23:07 PM