粉末

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深い夜空。明かりは星々のみ。
そんなロマンチックなシチュエーション。
君を抱きしめて愛を語ったり
くすぐるようなキスをしたり
そしてあわよくば、なんて。

だがしかし
昼間よりもずっと果てしなく見えた空
輝く星の名前や物語は知らないけれど
しばらく何も考えられなかった。
となりにいる君の手を握ることさえも忘れていた

どのくらいそうしていたかはわからない。
はっとしてとなりを向くとやわらかな笑顔の星の女神、もとい君と目があった。
「…ごめん。」
「え。どうした?」
「いろいろと。」

清らかな時と場所で邪な思いを抱こうとしていた自分をお許しください。
星空の下きょとんとした顔の女神に
心の中で懺悔をした。


星空の下で

4/6/2024, 6:38:37 AM