もか

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「終わりにしよう」
彼に私はそう伝えられた
私も薄々気づいてはいたが、ついに来てしまった
彼の違和感に気づいたのは3ヶ月ほど前だった
一緒に出かけようと誘っても用事があると断られたり、一緒にいる時間もスマホを見ることが多くなった
不審に思った私は彼を尾行した
そのとき、決定的な瞬間を見てしまった
彼が女の人と歩いていたのだ
その女の荷物を持ったり、カフェで一緒に話したり、しまいにはアクセサリーショップに入った
私は呆然としたままだった
そのまま家に帰ると複雑な感情がこみ上げてきてつい、泣いてしまった
だが私は彼のことを愛していた
だから、この関係を少しでも長く続けるためにこのことを黙秘した
そして今に至った
彼の言葉は続いた、が私の思っていなかった言葉だった
「終わりにしよう、そして今とは違う関係になろう、これからも君のことを守らせてほしい、そして一緒に幸せになりたい。結婚してくれ。」
私は驚きを隠せなかった
浮気したまま結婚するのか、と
今思ったことが言葉に出てしまった
そのことに彼が
「浮気?なんのことだ?」
としらばっくれた
今までの事情を洗いざらい喋ると彼は
「そいつは姉だ。姉に結婚について聞こうと思ったんだ、俺には乙女心なんてわからないからな。」
続けて彼は
「君を心配させておいて守るなんてことを言ってしまい悪かった、もう君を不安になんかさせない。」
ポタポタと涙が零れ落ちた
彼からの愛情、今までの不安からの脱却…
私は彼の目を見て言った
「喜んで」

7/15/2024, 11:49:52 AM