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 追手から必死に逃げ続けてたどり着いたのが、朽ち果てた教会だった。この地にたどり着くまで丸3日をすでに要していた。食料はほとんど残っておらず、一緒に逃げてきた子供達に分け与える余裕はない。

 教会の中は、人の気配もなく天井は剥き出しで半壊している。用心深く見回ったが誰もいない様子だ。

(雨も避けられねえ…)

 幸い追手たちは、我々を見失っている。ここで暫く休ませたかった。私は天井にぱっくり大きく開いた裂け目から空を仰いだ。

(みんな無事に逃げ出せたか…)

怒りの形相で槍をつく兵士たち、先日まで笑いあっていた隣人が斬られる姿、横たわった女たち…思い出したくもない悪夢だ。
 街から子供を連れ出した記憶を何とか払いのける。

 目の前の子供達にはこの事態が、この世界がどのように見えているのか推し量りながら、眠りにつくことにした。

4/13/2023, 8:16:51 AM