コンビニで買ったいつもの炭酸水は今日も無味で安心する。パチパチと口の中で弾ける感覚が喉を通って気持ちいい。 なにかと嫌味を言うその見失いそうな黒服を、俺はじっと見た。 ぬるい炭酸と無口なあんたは似ても似つかない。俺の手の中にあるこの炭酸と、俺の手の外にあるこの人は、なんも似ていないのに、あっという間に弾けていなくなる炭酸のような儚さだけは、あまりによく似ていた。/ぬるい炭酸と無口な君
8/4/2025, 6:55:32 AM