きらきらきら。
光る宝石をかざして、にんまりと笑みが溢れる。
「綺麗ね、それ。」
「えへへ、この前お祭り行った時に買ってもらったんです。」
屋台のおもちゃだから高いものではない。おそらくガラス製だろう。しかし私にとっては大粒のダイヤモンドより価値があるように思えた。
ふと、宝石をそっと覗き込んでみる。
「あなたの未来が見えます…!」
「はいはい、占いごっこね。お昼どうする?」
いつもクールな友人は絶対にこういうのに乗ってきてくれない。知ってた。
「……銀水晶は一緒にA定食を頼めと言っています!」
「懐かしいわね、銀水晶。私がわかる人間でよかったわね。」
いつだってクールな友人はいなしつつも答えてくれる。こういう時、友達に恵まれたとしみじみ感じるのだ。
【クリスタル】
7/3/2025, 4:24:06 AM