木枯らしが吹き、日一日と秋が深まっていくようです。
その後ご無沙汰しておりますがお元気ですか。
つい先程までそんな言葉を綴っていた筆は、既に停止している。
――あれ程まで望んでいた機会だというのに
続く言葉を考える事もせず、私はそっと窓を開けた。
終わりかけの秋の風が部屋を覗き込む。
それで、何かが吹っ切れた。
息を吸い、
筆を折り、
言葉の残る手紙を丸め、ゴミ箱へ投げる。
私の恋はもう終わったのだ。
新しい出会いに喜ぶ春ではなく、
全力を尽くす夏でもなく、
春を待ち望む冬でもなく。
ただ終わったこと、終わっていくことを実感するだけの秋。
あまりにも醜い。
だから彼への想いは全て捨て、冬へ向かうべきだろう。
――そうだろう?
そうやって思って手をかけたのは、
水に濡れたセーター。
11/24/2024, 11:03:18 AM