能力者になりたい佐々木海星(偽名)

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【本気の恋】
 恋愛なんて僕には分からない。どうせ僕みたいなやつには彼女さえ作れないのだ。もちろん、好意を寄せている相手はいる。学園の中では超有名。美人で頭が良くって誰に対しても平等に接してくれる女神様。僕とは大違いだ。
海星「はぁ…」
たいそう大きなため息が聞こえたのだろうか。僕の隣の花奏がこちらを向いてきた。
花奏「どうした?前よりもバカになったか?」
海星「そうかもね。」
いつものごとく、花奏は冷淡である。
海星「花奏ってさぁ、恋愛したこと…。」
花奏「ない。」
海星「即答ー。MAJICA。好きな人とかいないの?」
花奏「いないな。」
こいつ、やってやがるぜ。せっかくの高校生活は青春するべきなのに…。
花奏「なんだ?恋愛相談か。」
海星「まぁね。相談に乗ってくれへ…。」
花奏「無理な話だ。」
海星「えー。即答。心に刺さるな。」
花奏「言葉のナイフで死んどけ。たかが一本やけどな。」
海星「いやいや、その一本が大きいのですよ。」
花奏「知らんがな。」
あははは。そっけないやつだ。これでも、花奏は美人で成績トップで学年のお姫様なんだけどな。幼馴染にこんな人がいたら、誰もが羨むだろうが、蓋を開けてみれば以外な面に気付く。
海星「なぁなぁ、花奏。女性を振り向かせるにはどうしたらいいか?」
花奏「ん?運動ができて明るくて頭が良い奴。」
海星「つまり陽キャか。僕には無理だな。」
花奏「そうだな。諦めろ。」
海星「(・_・)え~~~。ヤだよヤだよ。」
花奏「じゃぁ、少しずつ関係を深めていったらどうだ?はじめに友だちになろうって言って始めるのは?」
海星「話す機会無し。😭」
花奏「だったら、間接的に攻めるのはどうだ?」
海星「間接的に?」
花奏「そうだ。お前の好きな人がいるクラス内で『佐々木海星』を広めればいい。そんで、そのクラスの人と仲良くなれば、多分勝てる。」
海星「スゴイネ。カナデクン。ボクハソンナコトオモイウカバナカッタヨ。」
花奏「これだからバカは。」
海星「でもありがとう。僕、頑張るわ。」
花奏「当たって砕けろ!」
海星「おい。砕けたらだめだろ。」
こんな朝の始まりだった。
                     end

9/12/2024, 11:05:14 AM